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フェラーリと鉄瓶

目次

私が読んだ本の紹介 20冊目

フェラーリと鉄瓶

奥山 清行 (著)
PHP研究所
2007年3月1日




久しぶりの読了です。
ブログに記録し始めてからやっと20冊。

もっともっとペースを上げて、
たくさんの本を読まなくては…

この本は、父の本棚から
勝手に拝借して来たものです。

この本の著者については
恥ずかしながら全く知らなかったのですが、
表紙のフェラーリにつられて手に取ってみたら
びっくりするくらい奥が深い本でした。

日本にいる私たちには
到底知り得ることが出来ない
正解中のビジネス観というのでしょうか。

特にイタリアの、
モノ作りや仕事への考え方を
わかりやすく伝えてくれる

私からしたらまさに
「目からうろこ」のお話でした。



筆者は、
イタリアの超高級自動車メーカー
Ferrari唯一の日本人デザイナー

しかも、世界的に人気な車種
エンツォ フェラーリを手掛けたということだから
本当に驚きました。

数億円という価格で取引される
超人気車種を日本人が手掛けたなんて、、、

私は車が大好きなので、
本当に感動しました。

今まで知らなかったことに
申し訳なさすら覚えます。



この本の著者は、
一言でいうと「物凄い人」なのですが、

この本は、凄い人がよく書く
いわゆる“自伝”のような類の
本ではありません。

この本を読んでいると、
もちろん「筆者はすごいなぁ」と感じるのですが、
それ以上に学べることがたくさんありました。

筆者は車の「デザイナー」なので、
デザインに関するお話があるのかと思いきや、

この本で書かれていることは、
デザイン分野にのみならず、仕事・ビジネス、
管理職やマーケティングにも通じるものが
たくさんありました。

興味本位で読み始めた本に
ここまで衝撃を受け感動させられるとは…



この本は、
デザイナー、マーケッター、管理職、車好き、
多種多様な方に心からオススメできます。




概要

Amazonの商品概要です。

フェラーリのデザイナーが初めて語る、デザインの要諦、ものづくりの秘訣とは......?
著者の奥山清行氏は、フェラーリのデザインを担当するカロッツェリア(イタリアにおけるデザイン工房)であるピニンファリーナ社で、デザインの総責任者であるデザイン・ディレクターを務めた人物である。
著者はこれまで、「エンツォ・フェラーリ」や「マセラティ・クアトロポルテ」などの超・高級車をはじめ、クルマ以外にも家具などのインテリアやロボット、都市計画でもデザインを行うなど、幅広いジャンルで活躍してきた。その著者が2006年、ピニンファリーナ社を退職し、自分の事務所を立ち上げたのを機に、自らの経歴と海外、特にイタリアの文化とものづくりに触れながら、日本のデザインとものづくりについて語ったのが本書である。
世界中からその才能を求められる日本人デザイナーが、自身の考えるデザインの在り方を通して、「最高の価値」を生み出す方法を語る。





まず、この本の中で、
私の心に最も刺さった文章を
そのままご紹介してもいいですか?



自分たちが本当に好きで作っていて、「自分でも買いたい」「売れなくてもいいから作りたい」と思いながら仕事をしているところは、みんながリスクを共有しているとも言えます。作っている人にとっては、そういう環境が一番幸せなのではないでしょうか?結果として売れなくて会社がつぶれてもいいと思って仕事をしているのですから。
それは、「利益だけを優先して頭で考えたものづくり」とは明らかに違います。作り手たちに共通の信じるものがありますから、結果としてできたものは必ず人の心を動かします。



誰が読んでもこの文章は、
ただの綺麗事ではなく心に刺さると思います。

これがフェラーリ開発チームの
仕事に対する思いでしょうか…
感動しました。

実はこの文章に続いて、


 「ものを通して人を感動させるというのは、
  ものづくりに携わる人にとって究極の成果です。」

と、お話が続いています。

本文すべてを紹介したいくらい、
この筆者からは熱いものを感じました。





さらに、筆者が言うには
イタリアのものづくりには、
日本と明らかに違うことがあります。

それは、地方都市が直接
ものづくりを世界に向けて発信しているところ。


家具はミラノ
ファッションはフェレンツェ
車はトリノ

各地方が独自に、
その特色を生かしたものづくりを
世界に発信していて、そして世界もまた、
そのものづくりを認めているのです。

逆に日本のものづくりは、
“東京”や“日本”というブランドを付けないと、
世界に出ていくことはありません。

それが一極集中を招いている、
地方の過疎化を招いていると危惧していました。

世界中の先進国は、
首都よりも田舎のほうが
美しいのです。





このような、
本当に奥が深い話が他にもたくさん
この本には書かれています。

学びがある、というよりは
日本という枠に収まっていたら絶対に
気づくことのできない話です。

世界観を広げるためにも、
この本は本当に様々な人に
オススメできます。







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